不登校の家庭内対応は変えるべき?現状維持にもリスクがある理由と親御さんが考えたいこと
不登校の家庭内対応は変えるべき?現状維持にもリスクがある理由
「お子さんが不登校になってから、家庭ではずっと同じ対応をしている」
そんなご家庭も少なくありません。
もちろん、今のお子さんの状態を尊重し、無理に変化を求めないことが必要な時期もあります。
しかし、もし同じ対応を続けているにもかかわらず、何か月経っても状況が変わらないのであれば、一度立ち止まって考える必要があります。
「このままの対応で本当にいいのだろうか?」
という問いです。
不登校支援では、「お子さんを追い詰めないこと」が非常に大切です。
一方で、お子さんを追い詰めないことと、何も変えないことは同じではありません。
今回は、不登校のお子さんへの家庭内対応について、「対応を変えることのリスク」と「対応を変えないことのリスク」の両方から考えてみます。
「今の対応で変化がない」なら、一度見直してみる
例えば、
- 学校の話を一切しない
- 登校を促さない
- お子さんのやりたいことを優先する
- 生活について何も言わない
- 家では好きなように過ごしてもらう
という対応をしているとします。
これらが間違っているとは限りません。
むしろ、お子さんの状態によっては非常に重要な対応になることもあります。
しかし、その対応を数か月続けても、
「外出することがほとんどない」
「昼夜逆転が進んでいる」
「親御さんとの会話が減っている」
「学校との接点が完全になくなった」
「お子さん自身も現状から抜け出したいと思っている」
という状態なのであれば、
「今の対応を続けることが本当に最善なのか?」
を考える必要があります。
現状維持にも「リスク」がある
不登校のお子さんへの対応を変えることには、もちろんリスクがあります。
例えば、登校を促したことで親子関係が悪化する可能性もあります。
スマートフォンの使用時間を見直そうとして、親子喧嘩になることもあるでしょう。
学校との接点を作ろうとして、お子さんが強いストレスを感じる可能性もあります。
だからこそ、
「無理に変化させないほうが安全」
と考えることもあります。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、
「何も変えない」という選択にもリスクがある
ということです。
不登校の状態が長期化することで、生活リズムがさらに崩れたり、外との接点が減ったりすることもあります。
親御さんが疲弊してしまうこともあります。
つまり、
「対応を変える=リスクがある」
「対応を変えない=安全」
ではありません。
どちらを選んでも、一定のリスクは存在します。
だからこそ、重要なのは「リスクをゼロにすること」ではないのです。
「お子さんを傷つけない」と「何も負荷をかけない」は違う
不登校支援を考えるうえで、ここは非常に重要だと思っています。
お子さんを大切にする。
お子さんの気持ちを尊重する。
お子さんを否定しない。
これは当然大切です。
しかし、
「お子さんに負荷をかけないこと」と「お子さんを大切にすること」は必ずしも同じではありません。
例えば、お子さんが少しずつ外に出られる状態になっているのであれば、本人と相談しながら外出の機会を増やすことが、その先の自信につながるかもしれません。
学校に戻ることを考えられる状態になっているのであれば、学校との接点を少し作ることが、復学へのきっかけになるかもしれません。
もちろん、無理をさせれば逆効果になることもあります。
だからこそ、
「負荷があるかどうか」だけで判断するのではなく、「その負荷にはどんな意味があるのか」を考えることが大切です。
対応を変える前に「仮説」を疑う
では、現状が変わらないとき、すぐに家庭内対応を変えればいいのでしょうか。
私は、そうは思いません。
その前に考えてほしいことがあります。
それは、
「そもそも、私たちの見立ては正しいのか?」
ということです。
例えば、
「お子さんは学校に行きたいけれど、怖くて行けない」
という前提で支援していたとします。
ところが、実際には、
「学校に戻りたいとは思っていない」
のかもしれません。
あるいは、
「学校そのものが嫌なのではなく、朝起きられないことが大きな問題」
なのかもしれません。
逆に、
「本人の気持ちを尊重するため、学校について何も言わない」
という対応を続けていたとしても、
実はお子さん自身が
「自分でもどうしたらいいかわからない」
と感じている可能性もあります。
つまり、対応を変える前に、
「なぜ今の対応で変化が起きていないのか?」
を考える必要があります。
「対応を変える」のではなく「仮説を変える」
ここは、不登校支援で非常に重要な視点だと思います。
状況が変わらないと、
「もっと厳しくしたほうがいい」
「もっと優しくしたほうがいい」
「もっと学校に行かせたほうがいい」
「もっと本人に任せたほうがいい」
と、対応方法そのものに目が向きがちです。
しかし、本当に必要なのは、
「対応」ではなく「見立て」を見直すことなのかもしれません。
お子さんがなぜ学校に行けないのか。
何を怖がっているのか。
本当はどうしたいのか。
今のお子さんに必要なのは休息なのか、成功体験なのか、人との接点なのか。
ここを考え直す。
その結果として、家庭内での対応を変える。
この順番のほうが、ずっと合理的です。
いきなり大きく変える必要はない
そして、対応を変えるときも、
「明日から毎日学校に行かせる」
「今日からスマホは禁止」
のように、大きく変える必要はありません。
むしろ、
小さく試して、反応を見る
という考え方が重要です。
例えば、
「週に一度だけ学校との接点を作ってみる」
「朝起きる時間だけ少し調整してみる」
「短時間だけ外に出てみる」
などです。
やってみて、
「お子さんの状態が良くなった」
のであれば少し広げる。
逆に、
「明らかに負担が大きい」
のであれば、一度戻して考え直す。
こうすれば、対応を変えることによるリスクを小さくできます。
不登校支援に「絶対に正しい対応」はない
不登校のお子さんへの家庭内対応について、
「これさえやれば大丈夫」
という方法はありません。
お子さんによって状況が違うからです。
同じ「不登校」でも、
学校での人間関係が原因なのか。
勉強についていけないことが原因なのか。
先生との関係なのか。
生活リズムなのか。
家庭以外の人間関係なのか。
本人にも理由がわからないのか。
背景はそれぞれ違います。
だからこそ、
一度決めた対応を永遠に続ける必要もありません。
お子さんの状態を見ながら、
「今はこの対応が必要」
と考えたなら、その後の変化を見て、
「今は別の対応が必要かもしれない」
と修正していけばいいのです。
「変える勇気」と「変えない勇気」の両方を持つ
不登校支援で大切なのは、
「とにかく対応を変えること」
ではありません。
そして、
「とにかく今の対応を続けること」
でもありません。
大切なのは、
今の対応を続けることで起こり得るリスクと、対応を変えることで起こり得るリスクを比較することです。
そして、
「今のままでは状況が良くならない可能性が高い」
「新しい対応には一定のリスクがあるけれど、得られるものも大きい」
と判断できるのであれば、
多少のリスクを取ってでも、対応を変えてみる。
反対に、
「今はお子さんがかなり疲弊している」
「新しい介入によって悪化する可能性が高い」
のであれば、
あえて変えない。
それも立派な判断です。
つまり必要なのは、
「変える勇気」だけではありません。
「変えない勇気」も必要なのです。
まとめ|現状維持は、本当に安全なのか?
不登校のお子さんへの家庭内対応を考えるとき、
「お子さんを傷つけないようにする」
ことは非常に大切です。
しかし、
「傷つけないために、何も変えない」
という判断が、いつでも正しいとは限りません。
現状維持にもリスクがあります。
だからこそ、
- 今の対応で本当に変化が起きていないのか
- なぜ変化が起きていないのか
- 自分たちの見立ては正しいのか
- 今の対応を続けるリスクは何か
- 対応を変えることで得られるものは何か
- 失敗した場合のリスクは許容できるか
を考えてみてください。
「リスクがあるからやらない」のではなく、「リスクを理解したうえで、やる・やらないを判断する」。
これが、不登校支援における家庭内対応を考えるうえで、非常に重要な姿勢だと思います。
ルートサポートでは、不登校のお子さんだけを見るのではなく、親御さんとお子さんの現在の状況を一緒に整理し、「今、本当に必要な対応は何なのか」を考えることを大切にしています。
「今の対応を続けていていいのかわからない」
「お子さんにどこまで声をかけていいのかわからない」
「何か変えたほうがいい気がするけれど、悪化させるのが怖い」
そんな親御さんは、一度ご相談ください。
不登校への対応に迷ったとき、必要なのは「正解を当てること」ではなく、「今のお子さんに合った方法を一緒に探すこと」なのかもしれません。
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