精神科やカウンセリングに行きたいと言ったのに行けない…動けないお子さんへの正しい関わり方
「本人が行きたいと言ったから予約したのに、当日になると動けない」
「何度も予約変更やキャンセルになって、正直イライラしてしまう」
「助けてほしいと言ったのは本人なのに、なぜ行動できないの?」
このような悩みを抱えている親御さんは少なくありません。
お子さんのためを思って、勇気を出して精神科やカウンセリングの予約をした。
やっと前に進めると思った。
それなのに当日になると、
「やっぱり行けない」
「今日は無理」
と言われる。
親御さんとしては、期待していた分だけ落胆も大きくなります。
「せっかく予約したのに」
「先生にも迷惑をかける」
「このまま何も変わらないんじゃないか」
そんな不安や怒りが出てくるのは自然なことです。
しかし、お子さんが動けなくなる背景には、単なる甘えや怠けではなく、本人にもコントロールできない不安や葛藤が隠れていることがあります。
この記事では、精神科やカウンセリングに行けないお子さんへの理解と、親御さんができる具体的な関わり方について解説します。
「行きたい」と言ったのに行けないのは矛盾ではない
まず理解していただきたいのは、
「助けてほしい」
という気持ちと、
「怖くて動けない」
という気持ちは、同時に存在するということです。
大人でも、
「転職したい」
「生活を変えたい」
と思っていても、実際に行動する直前になると不安になることがあります。
お子さんの場合、それがもっと大きく出ることがあります。
例えば精神科やカウンセリングへ行くことを考えた時、
- 自分の悩みを知らない人に話す怖さ
- 何を聞かれるかわからない不安
- 「自分は病気なのでは」と考えてしまう恐怖
- 今まで避けていた問題と向き合う怖さ
などが出てくることがあります。
つまり、
「行きたいと思った時の自分」
と
「実際にその場面になった時の自分」
で、気持ちが揺れている状態です。
親御さんがイライラしてしまう理由
お子さんが動けない時、親御さんが苦しくなる理由は、
「予約を無駄にされたから」
だけではありません。
多くの場合、その奥には、
「この子を何とか助けたい」
という強い思いがあります。
ずっと苦しんでいる姿を見てきた。
学校や生活のことで悩んできた。
だからこそ、
「やっと本人が変わろうとしてくれた」
という期待が生まれます。
その期待が大きいほど、直前で動けなくなった時に、
「どうして?」
「自分から言ったのに」
という気持ちが出てきます。
しかし、ここで親子がお互いに責め合う形になると、本来必要だった「安心して相談できる環境」から遠ざかってしまいます。
行けない時に親御さんが避けたい対応
「自分で行きたいって言ったよね」と責める
これは親御さんからすると、当然言いたくなる言葉です。
しかし、お子さんはすでに、
「行けない自分」
に苦しんでいる可能性があります。
そこに、
「約束したでしょ」
「また逃げるの?」
と言われると、
「やっぱり自分はダメなんだ」
という自己否定につながることがあります。
無理やり連れて行こうとする
もちろん、状況によっては背中を押すことが必要な場面もあります。
しかし、不安が限界を超えている状態で無理に進めると、
「精神科やカウンセリング=怖い場所」
という印象が強く残ってしまう可能性があります。
大切なのは、
行かせること
ではなく、
安心して助けを求められる経験を作ることです。
では、親御さんはどう対応すればいいのか
① 行けなかった事実より「助けを求めたこと」を認める
まず大切なのは、
「行けなかった」
ではなく、
「相談したいと思えた」
という部分を見ることです。
例えば、
「行こうと思ったこと自体、すごいことだよ」
「苦しいから助けを求めようと思えたんだね」
と伝えることです。
これは甘やかしではありません。
問題解決に向かうための土台作りです。
② ハードルを下げる
精神科やカウンセリングという言葉だけで、大きな壁を感じるお子さんもいます。
その場合は、段階を小さくします。
例えば、
- まずホームページを見る
- 先生のプロフィールを見る
- 電話ではなくメールで問い合わせる
- オンライン相談から始める
- 親御さんだけが先に相談する
などです。
「病院へ行く」
という大きな目標を、
「情報を見る」
「予約について考える」
という小さな行動に分けます。
③ 親御さんだけで相談する選択肢もある
お子さん本人が行けない場合でも、親御さんだけが先に相談することには大きな意味があります。
専門家から、
- 家庭での関わり方
- 声かけの方法
- お子さんへの距離感
についてアドバイスをもらうことで、状況が変わることがあります。
お子さんが動けるようになるまで、親御さんが準備をしておくことも立派な支援です。
親には甘えが出るからこそ、第三者の力を借りる
親子関係は、一番近い関係だからこそ難しい部分があります。
お子さんは親御さんだから安心して本音を出せます。
一方で、親御さんもお子さんを大切に思うからこそ、感情が大きく動きます。
その結果、
「行ってほしい親」
と
「怖いけど変わりたい子ども」
の間で、すれ違いが起こります。
第三者が入ることで、
- 親には言えない気持ちを話せる
- 親子の間に新しい視点が生まれる
- 家庭内の悪循環を整理できる
というメリットがあります。
支援を受けることは、親御さんの力不足ではありません。
親子が前に進むための環境作りです。
まとめ|「行けない」ではなく「変わりたいけど怖い」と考える
精神科やカウンセリングに行きたいと言ったのに、当日動けなくなる。
この姿を見ると、親御さんは裏切られたような気持ちになることがあります。
しかし、お子さんの中では、
「変わりたい」
「助けてほしい」
という気持ちと、
「怖い」
「不安」
という気持ちが戦っています。
必要なのは、責めて動かすことではありません。
小さな一歩を一緒に作ることです。
今日からできることは、
- 行こうと思えた気持ちを認める
- 目標を小さく分ける
- 必要なら第三者の力を借りる
この3つです。
お子さんが一人で踏み出せない時は、親御さんが一緒に道を作ることができます。
そして、親御さん自身も一人で抱え込む必要はありません。
親子が安心して未来へ進める方法を、一緒に探していきましょう。
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